HER/ヤマシタトモコ
このマンガがすごい!2011・オンナ編の第一位である。「このマンガがすごい2011」というものに関して物申したいところもあるが、今回はスルー。ウン十年生きてきて思うのだが、「ややこしい女」というのはもてない。そもそも「モテる女」というものは「わかりやすい」ものなのだ。
各女性誌の特集を見ていただければ一目瞭然。「モテ髪」「モテ服」「モテメイク」。どうしたらモテるかがありがたくも指南されていて、それを疑問に感じることなく享受できる女。これが「モテる女」である。
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男性陣にとってもこういう女子は「わかりやすい」だろうと思う。そのわかりやすさをありがたがって欲しいと思う。だが基本、女はみんな「ややこしい」。「わかりやすい女」が本当に何も屈折していないのかは表面だけではわからない。
そもそも「ややこしい」ってどういうことだ。と、思った方はこのマンガを読んでみることをオススメする。六篇からなる短編集のうち五篇の主人公が女。(最後の一篇は男性視点なのでここでは五篇とする)その全員が「ややこしい」。
共感できてしまう部分もあり、理解できない部分もあり。でも、それもひっくるめて「女」だなあ、としっくりきた一作。愛すべき「ややこしさ」。それこそが「女」というものなのである。
HER(Feelコミックス)
著者:ヤマシタトモコ
出版元:祥伝社
ササキアイ/株式会社文苑堂社員。現在は企画担当。婚活パーティーなども開催している。