【コラム】ストリートアートの世界の奥深さを感じられる入門ドキュメンタリー/総曲輪シネマライフ vol.04

劇場だからこそ味わえる感動と興奮…。ライブあり、シネマあり、富山発のミックスド・シアター「フォルツァ総曲輪」スタッフが、ぜひ観てほしいイチオシ映画を紹介するコラム。(佐伯龍蔵)





イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ


EXIT_THROUGH_THE_GIFT_SHOP@yacha_blog

作品名:イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
監督:バンクシー
出演:ティエリー・グエッタ、スペース・インベーダー、バンクシー
(c). 2010 Paranoid Pictures Film Company All Rights Reserved.

(あらすじ)誰もその素顔を知らないグラフィティ・アーティスト、バンクシーによって、さらけ出されるアート業界の裏側。アート業界がいかに胡散臭いかを、ユーモア溢れるセンスで皮肉ったドキュメンタリー。

街の壁に描かれるグラフィティ(落書き)は、法律的に見れば犯罪行為だが、別の視点から見ればユーモアに溢れた表現だと思う。この映画に出てくるグラフィティ・アーティストももちろん壁に落書きする許可を得ずに落書きする。だからこそ、人とお金の制約を受けないために、どのアートよりも純粋だとも言える。そんなことを考えつつ、見ていました。ストリートアートの世界の奥深さを感じられる入門ドキュメンタリーとして見ても、バンクシーの考える現代アート批評作として見ても、またはバンクシーその人を知る作品としても楽しめる作品。



リミッツ・オブ・コントロール


THE_LIMITS_OF_CONTROL@yacha_blog

作品名:リミッツ・オブ・コントロール
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、工藤夕貴
(c) 2009 PointBlank Films Inc.

(あらすじ)殺し屋は一人、スペインの街をさまよう。次々と現れる仲間から伝達を聞き、標的をしとめるために、黙々と準備をする。そして訪れる任務遂行の日。アメリカン・ニューシネマのジム・ジャームッシュ最新作。

この映画、不思議なことにワンカットごとにスペインの市街にあるグラフィティが映っていて、物語とはあまり関係性はないのだが、そのポイントでも楽しめる作品。ジャームッシュの処女作品の主人公は壁にグラフィティを描いていたりしていたから、ジャームッシュ自身もグラフィティに対して思い入れがあるのだろう。また「リミッツ・オブ・コントロール」という作品タイトルにはグラフィティの概念も含まれていると感じずにはいられません。だから彼の映すグラフィティは、とってもかっこいいのだと思う。


※フォルツァ総曲輪スタッフによる映画コラムはフリーペーパー「月刊ヤチャ」でも好評連載中です。映画ファンの方は、ぜひチェックしてみてください。


フォルツァ総曲輪 上映スケジュール


佐伯龍蔵/立山町出身。京都精華大学退学後、バックパッカーとしてアジアを放浪した後、富山に帰郷。現在は富山の映画文化を底上げするべく精進中。


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